非科学の蔓延を嘆く2006/12/09 20:56

昨日、車で移動しているときに、カーラジオに愕然とした。
FM横浜だったと思う、女性アナ達が口々にスチーマなるものを囃し立ている、「水を白金でナノマイクロの微粒子にして肌に吹き付けるので、お肌が潤う」というのだ。
我ら科学の徒には、「何言ってるの、バカか?」としか思えない。まず、そんな微粒子にしたら、水蒸気が湿度飽和な状況下で無くてはあっという間に蒸発してしまう。肌の表面に辿り着いたとして、そこで水膜を作り、それから肌に浸透するのだから、水滴の粒度など意味がない、水膜の温度が肌への浸透を律速するのであって、水膜に至るミスト粒径は無関係であることは、中高の理科を学んだ者であればすぐ解るはずである。そんなスチーマなど使うなら、熱いタオルで蒸せばよい。
そんなことが解らない女子アナどもも問題だけれど、そんなPRを平気でやらせる放送局の管理者達は何なのか。スポンサーのコマーシャルの為なら、聴者に平気で自分でも理解できないことでも放送してしまうのか。「そんな放送、やめちまえっ!」て言いたい。
事はFM横浜にとどまらない。最近、TVに、化粧品の宣伝に、やたらと「白金ナノコロイド」なる言葉が登場する。白金は、「反応性のない安定した金属だから大丈夫」 それなのに「触媒作用でお肌に良い」という。「触媒作用は、反応するからじゃないのっ!中間体が触媒と反応して出来るから、触媒作用が生じる、って習ったよ」そう中高の理科を学んだ私は言いたい。
マスコミは平気で嘘を言う、少なくとも、台本に書いてあることを視聴者がもっともと思うようにしゃべりまくる。科学的に、簡単に嘘と解るような事でも、スポンサーの要請であれば平気で放送してしまう。
そういえば、いろんな一流電機メーカーも、「マイナスイオン」なるPRをしている。普通の水だってプラスイオンとマイナスイオンを含んでいる。マイナスイオンの効果がどうのこうの。何を言ってるのか、「中高の理科の言葉で説明して欲しい」って言いたい。
バカにされた視聴者、消費者。非科学を平気で放送するマスコミ、メーカ、そんなのみていると、「日本も、もう終わりだな」って思えてくる。昔、「泡がはじける際出す超音波で肌を綺麗に」とありもしないことをまことしやかに解説する洗顔器が大流行した。それと同じ、科学解説もどきで人をたぶらかす、そんなものが幾度と無く現れる。最近はそんなものが目白押しである。

非科学が大手を振ってTVやラジオから流れてくる、どうなっているんですか。化粧品メーカさん、電機メーカさん、それにも増してマスコミさん、どうなんですか。