モデルと舞踊家2008/10/19 00:51

舞踊家
デッサン会に通っていて、何回か、舞踊家のモデルを描く機会に恵まれた。その時は今考えると、私も、やはり真剣勝負的な緊張感に高揚してデッサンを描いた。
彼等は、自分を見せると言うことが、まさに彼等の表現となっている。
絵を描くことも表現、だから双方、ある種の緊張関係が生まれるのだろう、コラボレーションが成立しているのかも知れない、いつもなかなかの絵が描ける。
作為ではなく、自分で言うのは何だけれど、良い作品が生まれる。

彼女は、この夏、カメラマンと共にイギリスに渡り、自分なりの着物(和服)を着てストリートパフォーマンスしたとか。

皇海山2008/10/19 01:12

庚申山から、朝日を浴びる皇海山
10月11日から12日にかけて、足尾近くの銀山平から庚申山、鋸山を経て2,144mの皇海山に登ってきた、標高差1,300mほど。
皇海山、深田久弥先生の百名山の一つであるが、なかなか手強い。3人で登ったのだが、企画してくれたリーダーは、今回3回目にしてようやく皇海山登頂の念願を果たした。
その困難さは、よく踏まれていない上にとても時間がかかるところにある。道中泊まれるところは立派ではあるが無人小屋の庚申山荘ただ一つ。深い原生林、巨岩に這い付くような鎖場や梯子、それらに加えて、登山道のあちこちが背丈ほどの熊笹に埋め尽くされている・・・
60歳前後のわれわれは、11日に庚申山荘に入り、翌朝4時からヘッドランプを頼りに出発した。それでも途中何度か道を間違えたりで、銀山平に続く林道に戻れたのは夜の帳が降りてきた18時、それから更に延々と月明かりの林道を2時間かけて車に戻った。休みながらではあるが、実に16時間もの行軍であった。

最近は、銀山平からでなく、群馬県側の不動沢から一気に皇海山登頂を目指すルートが出来ていて、どうもそちらのほうが多数派になっている。
実際に登ってみると、群馬県側からでは、何故百名山なのか理解不能と推測する。巨岩を縫って登って行く庚申山、巨大な鋸の歯の上を忠実にアップダウンして辿り着く鋸山、それら無しには皇海山の魅力は解らない。そのような登山の行程で、常に鷹揚と独立した山容の存在感こその名山である。

今回の山で、いかに登山は道程が大切かを思った。

皇海山の紅葉、そして獣たち2008/10/19 09:32

皇海山山腹の紅葉
それにしても、庚申山から鋸山、皇海山、全山みごとな紅葉であった。
嶺筋は既に霜柱が立っていて、中にはもうすっかり葉を落としてしまった木もある。山腹は、まさに絶好の紅葉狩りだった。

それで気付いたのだが、この一帯には植林が見あたらない、みごとな原生林である。だから様々に混じり合い、素晴らしい色彩のハーモニーを奏でている。
倒木や立ち枯れの幹も随分あるがそれも白をそのハーモニーに添えている。

山が深すぎて植林は経済的に合わなかったのだろうか、それとも庚申山から鋸山にかけての山岳信仰が植林を躊躇わせたのか。いずれにしても結構なことである。
庚申山と言うだけあって、幾度か猿達を見た。特に鋸山では、獣の臭いがあちこちにした。大きなどんぐりが山道にはいっぱい転がっている。
このような、獣たちと共生できる自然は、いつまでも続いて欲しいものである。