隠れ名山/釈迦ヶ岳と侘びしきスズラン群生地2009/07/07 21:24

釈迦ヶ岳屏風岩
久方ぶりに山仲間3人で、山梨の山2つに登ってきた。共に仲間の一人が長年登ろうとして果たせなかった宿願の山。
とは言っても、山梨100名山に入ってはいるが、とりたてて危険とか体力が必要とか言う訳ではない、単に、交通の便が悪く車でなくてはなかなか行けない、というのがその理由。

初日の7月4日に、河口湖の北にある釈迦ヶ岳1641m。
その日は南アルプス市県民の森グリーンロッジに泊まり、翌7月5日は櫛形山2052mに登った。

釈迦ヶ岳と言われても、地元以外知る人はまずいないだろう、隠れた名山である。低いながら岩壁を抱いた、富士山をはじめとする眺望の素晴らしいピラミッド形の山。
のんびり中央本線相模湖駅で朝8時に待ち合わせ、相模湖ICから一宮御坂ICまで中央高速を飛ばし、釈迦ヶ岳を奥の院としている北側の檜峰神社から登る計画だった。ところが、カーナビのセットを間違えたのか西の鳥坂峠を越えてしまった。仕方なしに、釈迦ヶ岳南面直下の水ヶ沢林道から登ることにした。
結局はそれが良かったみたい。ふんだんな岩場を縫って見事な屏風岩や遠く広がる山々を楽しみながらぐんぐん高度を増し、頂上に立つことが出来た。岩のために樹木が空いて陽が射すためか、高山植物も豊富で花一杯、こんな低い山に!と嬉しい驚きだった。
路は細いものの、岩場には太い綱がかけられ、道標もしっかりしていて迷うことはなかった。あいにく雲で富士山は拝めなかったが、周囲の深い森林や遠くまで伸びる山の重なりは絶景であった。
スズラン群生地がすぐ近くにあり、下山はそちらに抜けた。こちらの道は樹林帯で、高山植物は乏しかった。スズランの花の季節は既に終わって、群生地の林には人影も無く、そこここに高山植物が咲いていた。祭りの終わった侘びしさのようなものが漂っていた。
水ヶ沢林道は舗装された立派な道路で、スズランをイメージした街灯!まで備えていた、スズラン群生地は整備され立派なトイレもあった。ほんの1月足らずのスズランの花のために、至れり尽くせりである。

  9:45 釈迦ヶ岳南面直下水ヶ沢林道の登山口を出発
 10:45 岩場が現れ始める
 11:00 屏風岩を間近に見る
 11:20~30 釈迦ヶ岳山頂
 12:30 府駒山縦走路からの下り分岐
 13:00 スズラン群生地側水ヶ沢林道登山口

櫛形山のアヤメ2009/07/08 22:02

ほこら小屋に咲くアヤメ
翌7月5日
櫛形山は素晴らしいアヤメの群生地という、それを楽しみに淡々と深い森林を登っていった。
途中、ほこら小屋という新しい整備された避難小屋があって、日当たりの良い高山植物花咲き乱れる原や豊富な水場を備え、一株アヤメも咲いていて、ますます期待が高まった。
ところがなんと、山頂には、群生どころかアヤメは全く見あたらない、奥仙重、裸山、アヤメ平と探しまわり、たった一つつぼみを見つけた。
グリーンロッジに戻り、おいしい特性アイスクリームを買うついでに、そこの管理の方に聞いてみた。鹿の食害、酸性雨・・・複合的な原因なのか現在調査中という。アヤメ群生地(だったところ)に、いくつか金網フェンスの囲みがあったが、そのためのものだった。
自然、放って置いてもいつまでもあると考えてはならない。人間の影響でそこここから自然が壊れ始めている。

 5:00 県民の森グリーンロッジ出発
 7:30~8:00 ほこら小屋
 9:30~11:00 奥仙重~裸山~アヤメ平
 13:00 県民の森グリーンロッジ帰着

娘と八ヶ岳日帰り登山2009/07/25 00:21

編笠山山頂より、上は南アルプス、下は八ヶ岳の嶺々
7月12日、櫛形山からまだ一週間しか経っていないが、娘と急遽話がまとまり、八ヶ岳に日帰り登山してきた。
「日帰り登山でアルペン気分を満喫したい」と言う。そこで、観音平に車を置き、編笠山から権現岳、三ッ頭と、ぐるっと一周することにした。

まだ梅雨で、雨を覚悟して登ったが、権現岳から三ッ頭までわずかに降られたものの大したこともなく、編笠山から権現岳にかけて、彼方までの眺望を満喫できた。編笠山の原生林は見事であった。権現岳手前のギボシあたりは楽しい鎖場続きで、高山植物も咲き乱れて最高、写真撮りまくりでずいぶん時間をかけてしまった。

それにしても娘の速いこと、登山地図のコースタイムの0.7掛位で登る私が負けじと頑張らねばならなかった、三ッ頭から下ってササスベリあたりでは、ブヨが集ってくるからとピュンピュン先を行くので大変、やはり若さには敵わない。そこらあたりは登山地図のコースタイムの0.4掛!で歩き抜いてしまった。
帰りに、小淵沢IC近くの道の駅/つたの湯の温泉露天風呂に浸かり、汗を流して帰路についた。つたの湯の泉質はやわらかく、娘も大満足であった。

 6:30 観音平1560m出発
 7:45 押手川分岐(素晴らしい原生林)
 8:50 編笠山山頂2524m(360°の展望)
 9:30 青年小屋2380m
 10:00 ノロシバ2530m(ここらからギボシに続く岩場、お花畑)
 11:10 権現岳2715m(山頂は片側が切り立った岩、剣が天に向けて立つ)
 12:00 三ッ頭2580m
 12:40 木戸口公園2240m
 13:30 八ヶ岳神社分岐1580m(八ヶ岳横断歩道に出る)
 13:50 観音平帰着

登山ツァーに思うこと2009/07/25 01:30

権現岳より、左から阿弥陀岳、硫黄岳、横岳、赤岳
この登山で、異様なものを見かけた。
中高年の登山ツァーである。
権現岳に着いた頃、ポツポツと雨が降り始めた。見るとはるか下の三ッ頭に、2~30名の団体が居る。
50分ほど下って三ッ頭に着いたところ、なんとその団体がまだいて、何人か議論している。挨拶をしても、なかなか道を空けようともせず、登山道をふさぐようにたむろしている。やがて、雨もたいしたことも無くなったためか、団体は登っていった。
皆新しそうなカラフルな雨具を身につけてはいるが、どうみてもほとんどが中高年、山のマナーも乏しいし集団としての規律も無い。観音平に戻ると、大型観光バスが駐車している。なるほど、あの団体は我々と逆コースを行く登山ツァーだったのか、と納得した。

しかし、何故はじめに延々とつらい三ッ頭までの登りをさせるのか。
何故ギボシの岩場を下るのか、岩場は登るより下るほうが危険なのに。
昼を過ぎてもまだこれからが本格的な登りに入るのか、何故早朝出発し、昼過ぎには目的地に着くという登山の鉄則を守らないのか。
理解に苦しむところである、もしかしたら、山小屋を利用して、赤岳のほうに抜ける計画なのかもしれない。

そんな矢先、トムラウシの悲報を知った。

私には、経験も能力もマチマチの人達を募って、大勢で山に登ることなど、恐ろしくてできない。
日頃の鍛錬あればこその登山と思うし、メンバーの体調や山を熟知していればこそのガイドではないかと考える。

山に登らずに帰る判断2009/07/28 06:47

車から見た上が崩れた積乱雲
今週は一週間会社の夏休み、けれど家に居る。
実は、今日は穂高岳山荘のテント場で朝を迎えている計画であった。

上の雑な絵は、7月26日の夕刻、中央高速から見た積乱雲、山々に覆い被さるように至る所雲が湧き起こり、頂部は上空の流れに乱されて平たく崩れている。それほどまで高く発達する雷雲に、一抹の不安を感じていた。
上高地釜トンネル入り口のゲートには、脇に人の通る隙間があることを確かめて、20時過ぎに、焼岳新中の湯ルート登山口駐車場(中の湯温泉旅館の上、10号カーブと11号カーブの丁度中間あたり)に着いた。計画では、ここで仮寝して朝4時前に出発、ゲートが開く5時前に、大正池まで歩いてしまう予定であった。
ところが、雨が激しく降ったり小降りになったりで、とても延々と歩けるような状況では無い。また、穂高の岩場を雨の中登る自信も無い。そもそも、今回の山行きは、青い空に聳える穂高岳をひたすら目指し大正池から延々と上り詰めようという、15年ほど前に抱いた夢の実行であるはずのものであった。そこで、夜中の2時半に「今回は穂高はやらない」と決断した。
代わりに、天候の回復を待って、深田久弥氏の百名山の一つに挙げられている笠ヶ岳2898mをやることにした。雨で危険度を増す岩場も無く、新穂高温泉手前の大きな無料駐車場から笠新道経由で行けば、前夜発一泊二日に丁度良いスケールでもある。そんな理由からだった。
3時半に無料駐車場に着いたが、雨の激しさは増すばかりで霧も出てきた。発達した積乱雲のイメージも覆いかぶさり、視界の得られぬ雨中登山はリスクに合わないと判断、4時過ぎそこを出発して帰路に着いた。

帰路では、ずいぶん天気が良く、後ろ髪を引かれる思いであった。
家に着き、インターネットで長野県内のあちこちに雷、豪雨、洪水などの注意報が出ていることを知った、また、28日上高地は、晴れの予想が雨に変わっていることも確認した。
はるばる片道300km近いドライブをして、山に登らず何もせず帰ってきた判断は、間違ってはいなかったと考える。

3人の山仲間に同行者を募ったが、日程が合わなかったために単独行となってしまった。そのため、自分だけの考えで止めることができた。同行者がいれば、「全く何もしないで戻る」という判断は、なかなか出来なかったかも知れない。

自家製柿の葉茶2009/07/28 22:32

自家製柿の葉茶
先月のことだが、庭の柿の木の葉を集めて、柿の葉茶を作ってみた。その時試しにいれたお茶は、癖も無い代わりに味も薄くてもの足りず、そのままにしていた。
昨日、思い立って、試しに普通の緑茶の倍ほども濃くいれ、冷蔵庫に冷やしておいた。それを娘が遊びに来て飲み、「美味しい、好きだわ」と言う。濃いとそれなりに味が出てきて、なかなかいける。

実は、庭に投げた柿の種が発芽して成長した木が2本あった。あったというのは、2本とも、10年近くして花が咲いたところ男木と判明、実がならないので、根本から切ってしまった。10年近くたっているのでもちろんそれなりのしっかりした切り株。そのまま放置して朽ちるのを待つことにしたのだが、ひこばえが生えてきてそれなりの柿の木に成長した。
あまりにも見事な葉なので、悪戯に、それで自家製柿の葉茶を作ることにした。なにせ無農薬だから、健康的にも安全である。

柿の葉茶は、ビタミンC前駆体が凄いらしい。
インターネットで調べると、蒸して乾燥させ、それを粉にして使うように書いてある。しかも、ビタミンC前駆体は水に溶けやすいので、蒸す際に生じた露は捨てないで、葉に吸収させる形で乾燥させるとか。
「それなら、生の葉を直接熱風乾燥してやれば良いじゃないか」そんな発想で、作ったものが、写真。
きわめて安直で簡単だが、栄養が逃げず香ばしい茶が作れる。

①まずは、葉を摘んで、屋内で2日ほど陰干しする。
②高速ガスオーブン140℃の設定で、設定温度まで昇温した中にトレーに載せた陰干し柿の葉を入れ、数分間熱風乾燥させる。
③パリパリになった柿の葉を手で揉むと細かく砕けるので、それを茶筒に保管する。
もちろん、手で揉んでも砕けない柿の葉は、乾燥が十分でない。140℃設定の高速ガスオーブンに入れて再度数分間熱風乾燥させると良い。

陰干しせずに摘んだ葉を直接、高速ガスオーブンで乾燥させても良いような気もする。
屋外に干すのは、風で飛ばされてしまうので、やめた方が良い(経験者=私、談)。