山に登らずに帰る判断2009/07/28 06:47

車から見た上が崩れた積乱雲
今週は一週間会社の夏休み、けれど家に居る。
実は、今日は穂高岳山荘のテント場で朝を迎えている計画であった。

上の雑な絵は、7月26日の夕刻、中央高速から見た積乱雲、山々に覆い被さるように至る所雲が湧き起こり、頂部は上空の流れに乱されて平たく崩れている。それほどまで高く発達する雷雲に、一抹の不安を感じていた。
上高地釜トンネル入り口のゲートには、脇に人の通る隙間があることを確かめて、20時過ぎに、焼岳新中の湯ルート登山口駐車場(中の湯温泉旅館の上、10号カーブと11号カーブの丁度中間あたり)に着いた。計画では、ここで仮寝して朝4時前に出発、ゲートが開く5時前に、大正池まで歩いてしまう予定であった。
ところが、雨が激しく降ったり小降りになったりで、とても延々と歩けるような状況では無い。また、穂高の岩場を雨の中登る自信も無い。そもそも、今回の山行きは、青い空に聳える穂高岳をひたすら目指し大正池から延々と上り詰めようという、15年ほど前に抱いた夢の実行であるはずのものであった。そこで、夜中の2時半に「今回は穂高はやらない」と決断した。
代わりに、天候の回復を待って、深田久弥氏の百名山の一つに挙げられている笠ヶ岳2898mをやることにした。雨で危険度を増す岩場も無く、新穂高温泉手前の大きな無料駐車場から笠新道経由で行けば、前夜発一泊二日に丁度良いスケールでもある。そんな理由からだった。
3時半に無料駐車場に着いたが、雨の激しさは増すばかりで霧も出てきた。発達した積乱雲のイメージも覆いかぶさり、視界の得られぬ雨中登山はリスクに合わないと判断、4時過ぎそこを出発して帰路に着いた。

帰路では、ずいぶん天気が良く、後ろ髪を引かれる思いであった。
家に着き、インターネットで長野県内のあちこちに雷、豪雨、洪水などの注意報が出ていることを知った、また、28日上高地は、晴れの予想が雨に変わっていることも確認した。
はるばる片道300km近いドライブをして、山に登らず何もせず帰ってきた判断は、間違ってはいなかったと考える。

3人の山仲間に同行者を募ったが、日程が合わなかったために単独行となってしまった。そのため、自分だけの考えで止めることができた。同行者がいれば、「全く何もしないで戻る」という判断は、なかなか出来なかったかも知れない。

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