北沢峠から仙丈ヶ岳、両俣小屋から北岳2008/08/16 08:14

上:北岳中腹からの仙丈ヶ岳 下:大仙丈ヶ岳あたりからの北岳
この盆休み、13~14日一泊2日で仙丈ヶ岳と北岳に登ってきた。

学生時代、甲斐駒の前に悠然と佇む仙丈ヶ岳が忘れられず、いろいろと登山計画を練った。結局、少々ハードだが、北沢峠から仙丈ヶ岳を経て両俣小屋に泊まり、そこから北岳を経て広河原に戻ることにした。

13日は、家02:00→(中央高速経由)→芦安05:10→(乗合タクシー)→05:55広河原06:50→(バス)→07:15北沢峠2030m→小仙丈ヶ岳2855m→11:30仙丈ヶ岳3033m→大仙丈ヶ岳2975m→伊那荒倉岳→独標→横川岳→野呂川越→17:30両俣小屋
14日は、両俣小屋2014m 06:45→左俣沢大滝→中白峰沢ノ頭→北岳3193m 10:00→北岳肩ノ小屋→白根御池12:30→14:00広河原1529m 15:00→(乗合タクシー)→芦安 南アルプス市営日帰り温泉白峰会館で展望風呂→(中央高速に入ったが渋滞で箱根、西湘バイパス経由)→21:00家

憧れの仙丈ヶ岳、南アルプスの女王と呼ばれるだけあって、岩場を配しながらもそのおおらかな山容、至る所がお花畑でこれでもかと高山植物咲き競い、まさに絶品であった。頂に立つと周囲を幾重にも囲む山岳、まさに南アルプスのボリュームに圧倒された。特に仙丈ヶ岳から大仙丈ヶ岳に至る岩場は圧巻で、写真撮りまくりであった。

両俣小屋からの北岳は、超絶な激しい登りの連続であったが、中白峰沢ノ頭の手前で一挙に森林限界を抜けると、左側の凄まじい絶壁、
右手に広がる美しいカール、その先にそびえ立つ北岳の偉容、圧倒的であった。

お盆休みの最中であるにも関わらず、仙丈ヶ岳から北岳手前までの間は行き交う登山者もわずかで、そんな中で言葉を交わしあう登山者は、皆気持ちの良い方々ばかりで、味わいのある静かな山行を味わうことが出来た。

テント持参はきつかった2008/08/16 09:33

上:甲斐駒ヶ岳と左に伸びる鋸岳 下:持参のテントとザック
仙丈ヶ岳と北岳の山行、実は荷が18kgほどあった。

友人が「そのうち甲斐駒ヶ岳の北西に延びる鋸岳に行こう」というので、試しにテントを背負って行くことにした。これは、友人から「北沢峠から両俣小屋まではきつすぎる」と忠告され途中ビバーク可能なようにとの用意からでもあり、お盆で山小屋が混んでいるかもしれない、と思ったからでもあった。

ところが、テントは3kgもある4人用しかない。また、いつものザックには入りきらず、30数年前のキャンバス布製ザックを引っ張り出して使う事にした、これも3kgもある代物だった。単独行なので、それらを一人で背負わねばならない、何だかんだでいつもの山行に比べ10kg近く重たくなってしまった。

結果はけっこう厳しい、30数年前は20kgを越えるザックを背負って平気だったのに、足許がふらつく、肩に食い込む、息が上がる・・・年齢による衰えは隠しようもない。よろめいたり、一度だが左俣沢で足を滑らせ尻を濡らしたり、みっともない限りであった。山行の所要時間も、ガイド地図のタイムより若干速い程度とけっこうかかった。
梅干しおにぎりパワーで体力的には支障なかったが、これでは鋸岳は無理というもの。一泊二日露営でも、何とか荷を10kgに絞り込む工夫が必要のようだ。

倒木だらけの伊那荒倉岳や横川岳樹林帯2008/08/16 10:37

上:伊那荒倉岳近くの登山道 下:倒木の目立つ横川岳
仙丈ヶ岳と北岳の山行、もう一つ苦労したことがあった。倒木である。

写真上は実は登山道である。倒木だらけで、重い大きなザックをかつぎながら、またいだり乗り越えたり、それができないと四つん這いになってハイハイしながらくぐり抜けねばならない。
伊那荒倉岳や横川岳のまわりが特に酷かった。どうも、今年の春の台風でやられたようである。
大仙丈ヶ岳で南から縦走してくる2人連れに、「フィールドアスレチックもどき」と聞かされていたが、まさによく言ったものである。

山小屋のかたがたが苦心されたのだろう、伊那荒倉岳まわりはまだ荒っぽい倒木処理がなされているだけであったが、横川岳のまわりは迂回路が何とか切り開かれていて、ロープも所々張ってあり、助かった。
おかげで、ガイド地図並みのタイムでこの倒木帯を抜けて両俣小屋に辿り着くことができた。

山行は、「登山道を整備してくれる方々の努力があってはじめて可能である」ことをつくづく思う。