芋焼酎2007/01/03 23:35

芋焼酎

酒は文化である、と、酒飲みの私は思っている。
どんな酒が良いかというと、芋焼酎、と答えることに決めている。別に、鹿児島出身という訳ではない、物心付いた時からここ、湘南である。ただ、両親が鹿児島、そんなところから、芋焼酎が自分の体にしっくりくるように思っている。
学生の頃、鹿児島の親戚を泊まりながら旅行したことがあって、もうとうに校長を停年になった一人の叔父さんの言葉を、今でも想い出す。「夏は(芋)焼酎がいい、冬は(芋)焼酎がいい、だから他の酒は不要」 焼酎で充足できる人生、また素晴らしからずや、と思う。芋焼酎には、そんな文化がある。だから、芋焼酎、と答える。いくら無理しても、ビールやウィスキーでは様にならない。
最近は、様々な芋焼酎がどこでも手に入る様になった。酒屋、スーパー、コンビニ、居酒屋・・・なかなかに美味い焼酎も出回っている。そんなのに慣れていたが、芋への執着は薄くなってきて、泡盛の古酒や樽貯蔵ウィスキーなどに惹かれだしていた。そんな中で、先日の鹿児島旅行で、ある焼酎を買ってきた。空港で、「ご当地でしか手に入らないのを」と言い、「それならこれを」と言われて選んだ。
飲んだところ、これが美味い。美味いというか、芋のクセ、例の香りや甘みが凄い。おそらく、芋好きという方々も、かなりの方が敬遠せざるを得ないのではないか。これでは、ご当地でしか売れまい。でも、これなら「芋さえあればよい」という言葉が出てもおかしくない。ちなみに、娘も平気で飲む。けれども、妻は、ちょっと口に付けるか付けないかで飲むのをやめてしまった。
最近は、販路を広げようと皆さん熱心である。醸造家もご多分に漏れない。その結果は、万人に受け入れられるクセの無いものになってしまう傾向があるように思う。
万人に受け入れられずとも、終生の友たる芋焼酎をこそ造る、気骨ある鹿児島人に拍手を送りたい。

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