森林に育まれた北海道の海 ― 2009/05/31 23:00

5月末、北海道に出張してきた。流氷とクリオネ観光、毛ガニ水揚げ量日本一でホタテ放牧も盛んなオホーツク沿岸の街、美味しい鮭が獲れることでも知られる。
打合は午後のため、朝、時間つぶしに海岸を散歩してみた。凄い、山のように昆布など、海藻が浜に打ち上げられている。その海の豊かさを実感した。
最近識ったのだが、海藻は、川から流れてくる腐植物質が必要なのだという。海は本来弱アルカリ性、そのままでは、鉄イオンは沈殿してしまい、海藻は代謝に必要な鉄分を摂れずなかなか育たない。ところが、腐植物質の錯体となった鉄イオンは、弱アルカリ性でも沈殿することは無く、海藻が吸収できる。そして海藻が大きく育つ、その海藻で豊かな海産物が育つ。
北国の森林では、森の有機物がなかなか酸化されず、効率よく腐植物質に変化する。土壌や川の水が茶色いのはそのせい、そして、土壌の鉄分を海藻が利用出来る形で海に供給してくれるのだ。
北の海の豊かさの秘密は、こんなところにあった。リンやカリウム等の富栄養化した赤潮の発生するような海とは違う。森が海藻を育て、海に活力を与えてくれている。
打合は午後のため、朝、時間つぶしに海岸を散歩してみた。凄い、山のように昆布など、海藻が浜に打ち上げられている。その海の豊かさを実感した。
最近識ったのだが、海藻は、川から流れてくる腐植物質が必要なのだという。海は本来弱アルカリ性、そのままでは、鉄イオンは沈殿してしまい、海藻は代謝に必要な鉄分を摂れずなかなか育たない。ところが、腐植物質の錯体となった鉄イオンは、弱アルカリ性でも沈殿することは無く、海藻が吸収できる。そして海藻が大きく育つ、その海藻で豊かな海産物が育つ。
北国の森林では、森の有機物がなかなか酸化されず、効率よく腐植物質に変化する。土壌や川の水が茶色いのはそのせい、そして、土壌の鉄分を海藻が利用出来る形で海に供給してくれるのだ。
北の海の豊かさの秘密は、こんなところにあった。リンやカリウム等の富栄養化した赤潮の発生するような海とは違う。森が海藻を育て、海に活力を与えてくれている。
海辺のカラス ― 2007/09/07 10:19

海岸には、何羽かカラスがいて、ついばんでいた。台風の後は、貝などが打ち上げられていて、カラスたちのご馳走になる。
そのうち飛び立ったが、台風のなごりの強い風に乗って、というか吹き飛ばされるように、海岸の林のほうに飛んでいってしまった。
そのうち飛び立ったが、台風のなごりの強い風に乗って、というか吹き飛ばされるように、海岸の林のほうに飛んでいってしまった。
湘南茅ヶ崎海岸、台風去って ― 2007/09/07 09:46

久々に台風の直撃を受けての翌朝、JR東海道線も止まってしまったので、半休をとって近くの茅ヶ崎海岸を見に行った。
やはりというか、波飛沫は堤防を兼ねたサイクリングロードも相当洗ったらしい。その手前の道には塩水の池ができ、地面には砂が波紋を描いていた。転がった自転車は波紋の砂に少しばかり埋められていた。
海は、干潮直後にもかかわらず茅ヶ崎海岸の砂浜は消えて、サイクリングロードの直ぐ下にまで迫り、南風に吹き寄せられた海水が飛沫を飛ばしながら渦巻いていた。
台風と満潮が重なったらと思うと背筋が寒くなった。
ツバイ島など、南太平洋の島々が海に飲み込まれつつあるという話は聞いていたが、ベネチア/サンマルコ広場が海になっているシーンなどもあったが、それらは他人事ではない。
富山の海岸 ― 2006/09/23 21:16

今週半ばに、富山に出張してきた。遊び心で海辺の旅館に泊まり、翌早朝、浜辺を散策した。
http://www.chizumaru.com/maplink.asp?SER=all&D=all&X=494980.164&Y=132893.899&SCL=22497
海岸に着いて驚いたのだが、大きなものは径10cmほどもある大きな玉砂利の浜であった。玉砂利は、皆、きれいに丸くなっている。私の家近くの砂海岸を見慣れたものにとって、何とも異様に思えた。
あとからつらつら考えると、おそらく黒部川から海に押し流された岩が、日本海の荒波にもまれたあげくの姿に思える。凄まじい川の流れや日本海、自然の激しい一面をかいま見た。
そんな玉砂利の浜にも、しっかり雑草が生い茂り、緑で埋め尽くそうとしている。命、なかなかにしたたか。
地引き網 ― 2005/06/19 10:08
そういえば、湘南海岸の地引き網も、ずいぶん変わってしまった。
地引き網は、もうほとんどが観光地引き網である。ジョギング中によく見かけるが、会社や自治会のグループらしいみんなで楽しく地引き網を引くと小さなポリバケツに一杯ほど魚が漁れる。それを浜で漁師さんが他に用意した具とともに天麩羅に揚げてくれる、揚げたての天麩羅やなんかと、ビール片手にワイワイ、とても楽しそうである。
わたしの小さい頃、もちろん観光地引き網など無い。漁師のおじさんおばさん達が黙々と地引き網を引く。子供達は勝手に加わってお手伝いする。漁れた魚は2~3m3ほどもあって、大きな容器に分けて軽トラック2-3台で運ぶほどだった。子供達は、たまに袋一杯の魚を分けてもらう事もある、でも、子供達の本当の目論見は、漁師さん達が売り物にならなくて捨てる、サメやエイ、フグ、カニや変わった魚なのである。もちろん生きていて、フグなどつついてプッと膨らませては喜んだり、小さなサメが砂の上でのたうち回るのを見て心躍らせるのだった。きっと、観光地引き網でも、子供達は同じような体験をしているのだと思う。
気になる漁獲量だが、本気になって網を引けば昔のように大漁なのかもしれない。それとも魚が減ってしまったのか、わたしには判らない。
地引き網は、もうほとんどが観光地引き網である。ジョギング中によく見かけるが、会社や自治会のグループらしいみんなで楽しく地引き網を引くと小さなポリバケツに一杯ほど魚が漁れる。それを浜で漁師さんが他に用意した具とともに天麩羅に揚げてくれる、揚げたての天麩羅やなんかと、ビール片手にワイワイ、とても楽しそうである。
わたしの小さい頃、もちろん観光地引き網など無い。漁師のおじさんおばさん達が黙々と地引き網を引く。子供達は勝手に加わってお手伝いする。漁れた魚は2~3m3ほどもあって、大きな容器に分けて軽トラック2-3台で運ぶほどだった。子供達は、たまに袋一杯の魚を分けてもらう事もある、でも、子供達の本当の目論見は、漁師さん達が売り物にならなくて捨てる、サメやエイ、フグ、カニや変わった魚なのである。もちろん生きていて、フグなどつついてプッと膨らませては喜んだり、小さなサメが砂の上でのたうち回るのを見て心躍らせるのだった。きっと、観光地引き網でも、子供達は同じような体験をしているのだと思う。
気になる漁獲量だが、本気になって網を引けば昔のように大漁なのかもしれない。それとも魚が減ってしまったのか、わたしには判らない。
漁と海鳥 ― 2005/06/14 22:19
兄に誘われて、この小さなクルーザーで、トローリングに出かけたことがある。
ハーバーから朝早くエンジンを駆って海に出ると、そこにはもう漁船がたくさんのんびりと浮かんでいて、兄も舵をとりながら潜航板やらルアーやらを準備している。空は青く、海は穏やかで、のんびり海鳥達があちこちに浮かんでいる。
と、急に、何百という海鳥が一斉に飛び立って海の一点に向けて飛び始めた、するとその同じ場所に向けて何十隻もの漁船も一斉に全速力で走り始めた。もちろん、私たちもトローリングの仕掛けを海に何本も投げ込んでエンジン全開で同じ場所に急いだ。
径100mもない領域はまさに戦場、海鳥はひっきりなしに海中にダイビング、釣った魚を外しては仕掛けをまた海に放り込む漁師達を乗せた漁船が沢山右往左往、瞬く間にクルーザーのコックピットに置いていた60リットルポリバケツに釣ったサバがたまってゆく。と、また急にパタッと釣れなくなる、鳥も船も手持ちぶたさに時間を過ごす。と、また鳥どもが飛び立って・・・
鰯の大群と、それを追う海鳥とサバやカツオ、イナダ、それを釣る漁師達、豊かで生な世界が繰り広げられていた、30年ほど前の事だ。
今はどれほど釣れるのだろうか、休日にはよく海沿いをジョギングしているが、海鳥や漁船のバトルを見なくなって久しい。クルーザーの上で捌いた刺身のコリコリとした歯ごたえはもう味わえない。
ハーバーから朝早くエンジンを駆って海に出ると、そこにはもう漁船がたくさんのんびりと浮かんでいて、兄も舵をとりながら潜航板やらルアーやらを準備している。空は青く、海は穏やかで、のんびり海鳥達があちこちに浮かんでいる。
と、急に、何百という海鳥が一斉に飛び立って海の一点に向けて飛び始めた、するとその同じ場所に向けて何十隻もの漁船も一斉に全速力で走り始めた。もちろん、私たちもトローリングの仕掛けを海に何本も投げ込んでエンジン全開で同じ場所に急いだ。
径100mもない領域はまさに戦場、海鳥はひっきりなしに海中にダイビング、釣った魚を外しては仕掛けをまた海に放り込む漁師達を乗せた漁船が沢山右往左往、瞬く間にクルーザーのコックピットに置いていた60リットルポリバケツに釣ったサバがたまってゆく。と、また急にパタッと釣れなくなる、鳥も船も手持ちぶたさに時間を過ごす。と、また鳥どもが飛び立って・・・
鰯の大群と、それを追う海鳥とサバやカツオ、イナダ、それを釣る漁師達、豊かで生な世界が繰り広げられていた、30年ほど前の事だ。
今はどれほど釣れるのだろうか、休日にはよく海沿いをジョギングしているが、海鳥や漁船のバトルを見なくなって久しい。クルーザーの上で捌いた刺身のコリコリとした歯ごたえはもう味わえない。
闇に光る波 ― 2005/06/13 20:08
今朝何気なしに聞いたラジオから「海ホタルの季節になったので、今年こそはぜひ闇に光る波を見てみたい、そんな時には海に入ると足の周りで海水が光る・・・」
実は、それを見たことがある。茅ヶ崎海岸の花火大会を近くで見ようと歩いて移動していたところ、暗い波打ち際のあたりがサーチライトを浴びたように一瞬光る、波が砕ける際に青白く光っているのだ。不思議な気分になったが、ああこれが海ホタルなんだと、ちょっとラッキーな気分になった。
海ホタルの記憶は、実はもう一つある。小さなクルーザーに数人乗って江ノ島の花火大会を楽しんだ後、あまりにも海が静かだったのでそのあたりを一回りしてから港に帰る事にした。セールにはらむそよ風を受けて艇は闇の水面を進んでいた、聞こえるのはシャラシャラという水面を切る音のみ。その時一人が呟いた「あら夜光虫だわ」。見ると、小さく砕ける波が尾を引きながら青白く光っていた。
もうずいぶん昔、かそけき青白き波は今も鮮明にある。
実は、それを見たことがある。茅ヶ崎海岸の花火大会を近くで見ようと歩いて移動していたところ、暗い波打ち際のあたりがサーチライトを浴びたように一瞬光る、波が砕ける際に青白く光っているのだ。不思議な気分になったが、ああこれが海ホタルなんだと、ちょっとラッキーな気分になった。
海ホタルの記憶は、実はもう一つある。小さなクルーザーに数人乗って江ノ島の花火大会を楽しんだ後、あまりにも海が静かだったのでそのあたりを一回りしてから港に帰る事にした。セールにはらむそよ風を受けて艇は闇の水面を進んでいた、聞こえるのはシャラシャラという水面を切る音のみ。その時一人が呟いた「あら夜光虫だわ」。見ると、小さく砕ける波が尾を引きながら青白く光っていた。
もうずいぶん昔、かそけき青白き波は今も鮮明にある。
湘南砂丘 ― 2005/06/11 09:54
湘南のトリビアといえば、湘南砂丘を知っているかたはまずいないと思う、実は、湘南工科大学のあたりから先には広大な砂丘が広がっていた。
小さい頃、近所の子供達が連れ立って、たまに探検にでかけたものである。そこで、お定まりの戦争ごっこやかくれんぼをして遊んだ。砂丘には、海鳥の卵や蛇の抜け殻を見つけることができた。端には湿地帯があり、自然のクワイやガマの穂を採ったりした、薬莢まであった。
実は、そこは、鉄線の柵で囲まれた自衛隊の演習場だったのである。国道134号線もない頃で、海まで延々と砂丘が広がっていた。烏帽子岩は砲撃演習の標的になってずいぶん欠けてしまった、という話を子供達は信じていた。
今の湘南海岸は、砂丘どころか砂浜の消失の危機にさらされている。海岸付近一帯は住宅やマンションで埋め尽くされ、相模川にはダムや取水堰がいくつも並んで水を取りまくっている。これでは、砂が運ばれてくる訳がない。自然環境に惹かれて移り住んだ結果が自然を破壊する、因果応報どころか、自然にとって人間は害虫である。
もちろん、湘南海岸に住む私もその害虫の一匹である。
小さい頃、近所の子供達が連れ立って、たまに探検にでかけたものである。そこで、お定まりの戦争ごっこやかくれんぼをして遊んだ。砂丘には、海鳥の卵や蛇の抜け殻を見つけることができた。端には湿地帯があり、自然のクワイやガマの穂を採ったりした、薬莢まであった。
実は、そこは、鉄線の柵で囲まれた自衛隊の演習場だったのである。国道134号線もない頃で、海まで延々と砂丘が広がっていた。烏帽子岩は砲撃演習の標的になってずいぶん欠けてしまった、という話を子供達は信じていた。
今の湘南海岸は、砂丘どころか砂浜の消失の危機にさらされている。海岸付近一帯は住宅やマンションで埋め尽くされ、相模川にはダムや取水堰がいくつも並んで水を取りまくっている。これでは、砂が運ばれてくる訳がない。自然環境に惹かれて移り住んだ結果が自然を破壊する、因果応報どころか、自然にとって人間は害虫である。
もちろん、湘南海岸に住む私もその害虫の一匹である。
砂に埋もれたモンサンミッシェル ― 2007/09/07 10:44
海といえば、この夏、フランスのモンサンミッシェルに行ってきた。
ここでは、逆に島の周りを砂浜が包囲し始めているという。遠目には、かの有名なモンサンミッシェルそのものだが、なんと、ずーっと沖の方まで砂浜である。堤防の建設で潮の流れが変わり、砂浜が発達し、干潮になるとその砂浜が現われてしまう。
人によってどんどん自然が変えられて行き、その結果はなかなか予想もつかず人にとって必ずしも好ましいものにはならない。
環境アセスという制度もあるが、諫早湾の話など、首をかしげるばかりである。
by Tom [言] [海] [コメント(0)|トラックバック(0)]